埼玉県公立高校入試「My Voice」の作り方|評価される書き方と具体的な手順を解説

埼玉県公立高校入試では、新たに「My Voice」と呼ばれる面接の時間が設けられています。

これは、これまでの経験をもとに、「何に取り組み、どのように考え、何を学んだのか」を自分の言葉で伝える時間です。

大切なのは、実績の大きさや話の上手さではなく、「そこに至るまでの過程」や「自分なりの考え」をしっかり言葉にできているかどうかです。

面接など入試の仕組みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。

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目次

「My Voice」の評価される書き方手順

■ 手順①:これまでの経験を洗い出す

まず最初にやるべきことは、「何を書くか」を決めることです。
いきなり文章を書こうとするのではなく、まずはこれまでの経験を思い出していきましょう。

例えば、

・部活動
・委員会活動
・学校行事
・習い事
・ボランティア
・勉強で頑張ったこと

など、自分が力を入れてきたことをいくつか書き出していきます。

このとき大切なのは、「すごい実績があるかどうか」は気にしないことです。
成功体験である必要はなく、むしろ「うまくいかなかった経験」でも問題ありません。 


■ 手順②:「心が動いた瞬間」を見つける

次に、その経験の中で「どんなときに心が動いたか」を考えていきます。

たとえば、何かの出来事に対して、

・悔しかった
・うれしかった
・焦った
・楽しいと感じた
・やめたいと思った

など、どういった気持ちになったかを整理しましょう。

My Voiceで評価されるのは、「そのとき何を感じ、どう考えたか」、そして「そこからどう行動したか」です。まずは自分の中にあった感情を整理することが、次のステップの土台になります。


■ 手順③:なぜそう感じたのか、なぜそうしたかを深掘りする

手順②をもとに、

「なぜそう感じたのか」
「なぜその行動をとったのか」

を自分なりに言語化していきます。

たとえば、

「悔しかった」
→ なぜ悔しかったのか
→ 自分はどういう状態だったのか

「頑張った」
→ 何を考えて頑張ったのか
→ どう工夫したのか

この「なぜ」の部分があるかどうかで、評価は大きく変わります。

面接では、この部分をさらに質問されることになるため、最初からしっかり考えておくことが重要です。


■ 手順④:どのように工夫したかを書く

次に、その状況に対して「どのように取り組み方を変えたのか」を書いていきます。

ここでは、

・ただ頑張った
・努力した

で終わらせないことが大切です。

例えば、

・何を意識するようにしたのか
・どのように改善したのか
・どんな工夫をしたのか

といった「行動の変化」を具体的に書くことで、主体性が伝わります。


■ 手順⑤:何を学んだのかを言語化する

最後に、その経験から「何を学んだのか」をまとめます。

ここでは、

・継続することの大切さ
・周囲と協力することの重要性
・考えて取り組むことの必要性

など、自分なりの学びを言葉にしていきます。

この「学び」があることで、単なる体験談ではなく、「成長の話」になります。


■ 手順⑥:これからどうしたいかにつなげる

最後に、その学びを「高校生活でどう活かすか」につなげます。

これまでの経験だけでなく、「これからどうしたいか」まで含めて表現することが求められています。 

ここで大切なのは、無理に立派な目標を書くことではなく、「自分の経験とつながっているか」です。


■ 手順⑦:他の人に見てもらい、質問してもらう

ここまで書けたら、必ず第三者に見てもらうことをおすすめします。

具体的には、

・友達
・保護者
・学校の先生
・塾の先生

などに見てもらい、

「なぜそう思ったの?」
「そのときどう考えてたの?」

といった質問をしてもらいましょう。

My Voiceの後には、必ず「質問・応答」があります。

事前にいろいろな角度から質問されておくことで、どんな質問が来ても答えられる状態を作ることができます。また、人に説明することで自分の考えがより整理されるという効果もあります。


■ まとめ

My Voiceは、特別な経験を書くものではありません。

大切なのは、

「何をしたか」ではなく
「どう考え、どう取り組んだか」

です。

この手順に沿って整理していけば、自然と評価されるMy Voiceになっていきます。

最後に具体的な事例を9つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいませ。

MyVoiceの具体事例を9つ紹介

埼玉県教育委員会による具体事例7つと、当塾で作成した事例2つをご紹介いたします。
作成の際の参考にしてみてください。

令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における面接について

例❶「ピアノを通じて学んだことについて」

 私が今までの人生で力を入れてきたことの1つにピアノがあります。もともとは、幼稚園生の頃に親の勧めでエレクトーンを始めたのですが、そのあと小学校でピアノに心を惹かれ、ピアノを始め るようになりました。その時、小学校ではピアノ伴奏をできる音楽祭があったので、音楽祭でピアノの伴奏をするということが目標になっていました。

 しかしとてもピアノが上手い友人がいたことで、なかなかオーディションで勝つことができず、一時 はやめてしまいたいとも思うようになりましたが、それでも目標に向かってピアノを続けました。

 中学校に入るとクラスが増えたことによって、そのピアノの上手い友人とは別のクラスになり、僕が ピアノの伴奏できるようになりました。そうして 3 年間ピアノ伴奏を続ける中で、クラスメイトやクラス の担任から「ありがとう」と感謝をされることが多くなりました。その時僕は「あぁ、夢を追い続ければ いつか叶うんだな」と思うようになりました。

 この高校に入ってからも、夢を追い続けて理想の自分を目指していきたいと思っています。

引用元:令和9年度埼玉県公立学校入学者選抜 面接に係る「My Voice」試行事例
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/280253/01-myvoice-sikojirei.pdf


例❷「好きなことを追求し、責任感と向上心を育んだこと」

 私は小学校5年生から中学3年生までの5年間、放送委員会に所属してきました。声で伝えることに魅力を感じ活動を続けていく中で、市内の防災放送の声を担当させていただく機会をいただきました。自分の声が多くの人に届き、市内の地域の安全を支える一部となっていると感じたとき、言葉や声には大きな力があるのだと改めて実感しました。同時に、1つの役割を任されることの責任の重さも学ぶことができました。

 この経験を通し、私は「好きなことはとことん極め、成果につなげたい」という考えを大切にするよ うになりました。ただ活動するだけでなく、より聞き取りやすい話し方や伝え方を日頃から意識し、小さな努力を積み重ねてきました。

 これから新しく始まる高校生活では、これまで培ってきた姿勢や経験を活かし、新しい環境でも 自分の興味や得意なことを深めていきたいと考えています。自分の可能性に挑戦し、成長し続け られる場所として、この高校に入りたいと強く思っています。

 それが今の私の率直な声です。

引用元:令和9年度埼玉県公立学校入学者選抜 面接に係る「My Voice」試行事例
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/280253/02-myvoice-sikojirei.pdf


例❸「私の強みについて」

 私の強みは、目標に対して諦めずに努力をし続けるということです。私は小学生の頃から野球 をしていました。始めた影響は兄でしたが、始めてからは野球がとても楽しく、試合に勝つためにも 練習など努力をたくさん続けてきました。

 そんな中、中学2年生の時にケガや病気の影響で、野球ができない日がたくさん続きました。 野球ができないという辛く苦しい日が続く中で、それでも野球がしたいという思いで、リハビリや治 療などを頑張ってきました。そのおかげで、今でも元気に野球ができています。あのとき頑張ってよ かったなと、今、心の底から思っています。

 私は野球を通して学んだ、諦めないことの大切さや、目標への継続力を、これからの人生にも つなげていきたいです。そのためにも、まずはこの学校に入学し、私の強みを活かして検定や委員 会、部活動など多くの事に臨んでいきたいです。

引用元:令和9年度埼玉県公立学校入学者選抜 面接に係る「My Voice」試行事例
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/280253/03-myvoice-sikojirei.pdf


例❹「ラジオ企画参加で学んだことについて」

 私は中学2年生のときに、地元のラジオ番組に出たことがあります。当時、地元のラジオ局で学生が自分の好きな番組を5分程度で作り放送するという企画が行われていました。

 私は幼稚園のころからラジオをよく聞いていたということもあり、また私の当時のマイブームであった絶滅危惧種のクニマスについても語りたいと思い、応募して参加させてもらうことになりました。

 リスナーさんにちゃんと伝わるように原稿を考えたり、はっきりとしゃべるということは初めての経験で、とても大変でした。ですがその経験を通して、自分の考えや思いを伝えること、そして挑戦することの楽しさを経験することができました。

 私は高校生活ではいろいろな人の考えに触れ、それとともに自分の意見を伝えること、そして新しいことに挑戦することを続け、より充実した高校での 3 年間を過ごしたいと思っています。以上です。ありがとうございます。

引用元:令和9年度埼玉県公立学校入学者選抜 面接に係る「My Voice」試行事例
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/280253/04-myvoice-sikojirei.pdf


例❺「将来の夢とこれからの目標について」

 私は将来、世界中を飛び回り、日本の魅力を伝えながら旅を支えるツアーコンダクターになりたいと考えています。そのために高度な英語能力を身につけることができる本校に志望します。

 私が中学時代に最も力を入れたことは、生徒会活動です。人前に立って話す力はつきましたが、1度準備不足による大きなトラブルが起こってしまいました。

 この経験から完璧な事前準備があってこそ、初めて現場で臨機応変な対応ができるということを痛感しました。これはお客様の安全と楽しさを守る、ツアーコンダクターにとって最も重要な信念だと考えています。

 私は人とコミュニケーションをとることが好きです。本校の充実した英語学習環境で、単なる語学 力だけでなく、背景にある文化にまで理解をし、真のコミュニケーション能力を身につけ、世界中の 人々と心を通わせたいと考えています。以上です。

引用元:令和9年度埼玉県公立学校入学者選抜 面接に係る「My Voice」試行事例
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/280253/05-myvoice-sikojirei.pdf


例❻「生徒会活動(地域ボランティア)を通じて、学んだことについて」

 私が中学校生活で特に力を入れたことは、生徒会でのボランティア活動です。 私は中学2年生のときに生徒会副会長、3年生のときに生徒会長を務めさせていただきました。生徒会では行事運営に加え、地域への貢献を目的としたボランティア活動も活発に行っていました。

 その中でも特に印象に残っているのが、中学3年生のときに参加した地域でのお祭りボランティアです。お祭りボランティアでは、運営に設置・誘導に受付など大変な仕事も多かったのですが、 終わりに運営の方から、「手伝ってくれてありがとう。あなたたちのおかげで、みんなが喜ぶお祭りにすることができましたよ。」と言ってもらえたことが、とてもうれしく今でも心に残っています。

 そのボランティアを通して、誰かのために一生懸命になれる喜びを知りました。それ以来、「一生懸命は誰かのために」が私のモットーです。

 この高校に入学できた際には、向上心に富む仲間とともに学び、誰かのために積極的に動けるリーダーになりたいです。

引用元:令和9年度埼玉県公立学校入学者選抜 面接に係る「My Voice」試行事例
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/280253/06-myvoice-sikojirei.pdf


例❼「保健委員会活動を通して成長したことについて」

 私が中学校で頑張ったことは、委員会活動です。1、2年を通じて保健委員会に入り、2年生のときに委員長として活動しました。私がこの活動を通して身についたと思う力は、周りの状況を把握する力、思考を転換する力です。

 保健委員会では、毎日の健康観察と、定期的に石鹸と消毒液の補充を行いました。日々、生徒の体調に問題がないか、周りをよく見て過ごしていました。また、積極的に石鹸や消毒液がなくなっていないかを確認するように心がけていました。

 ある時、石鹸がないことに困っていた生徒を見かけました。私はこのとき、自分たちの活動が役に立っていることを感じると同時に、与えられたことはしっかりやらなければならないと思いました。そのあと、これらの活動により、周りをよく見ることの大事さを学びました。

 さらに、これらの活動に加えて、全校生徒の前で保険に関連したテーマを発表する学校保健委員会での活動を頑張りました。人前で話すことが苦手だったため、初めは困惑していました。しかし、考え方を変え、生徒に健康に関する知識を身につけてもらいたい、という目的意識を持つようにしてみた結果、人前で堂々と発表することができました。考え方を変えるだけで、自分が苦手だとしていたこともできるようになるんだと学びました。そして、このことを学んだことにより、自分の抱える不安と上手く向き合えるようになってきました。

私は、中学校生活を通して身についた力を高校生活でも活かせるようにし、責任を持った行 動をしていきたいです。

引用元:令和9年度埼玉県公立学校入学者選抜 面接に係る「My Voice」試行事例
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/280253/07-myvoice-sikojirei.pdf


例❽ 野球部ver【オリジナル】「挫折を乗り越えて学んだ継続力と向き合う姿勢」

 私の強みは、目標に対して諦めずに努力を続けられることです。

 私は小学生の頃から野球を続けてきました。きっかけは兄の影響でしたが、次第に野球そのものが好きになり、試合に勝つために日々の練習に真剣に取り組んできました。

 しかし、中学2年生のときにケガや病気が重なり、長期間野球ができない時期がありました。思うように体を動かせず、周りの仲間が練習や試合で活躍している姿を見る中で、焦りや悔しさを感じることも多くありました。その中で私は、「ただ回復を待つのではなく、今できることに取り組もう」と考え、リハビリや体づくりに主体的に取り組むようにしました。

 また、チームメイトのプレーを見て、自分ならどう動くかを考えるなど、プレー以外の面でも成長できるよう意識しました。その結果、復帰後は以前よりも自分のプレーを客観的に考えられるようになり、前向きに野球に取り組めるようになりました。

 この経験を通して、うまくいかない状況でも工夫しながら努力を続けることの大切さを学びました。高校でもこの経験を活かし、困難な状況でも諦めずに努力を続け、自分自身を成長させていきたいと考えています。


例❾ 吹奏楽部ver【オリジナル】「努力を積み重ねて掴んだ成長と協働する力」

 私が中学校生活で最も力を注いできたのは、吹奏楽部での活動です。私は3年間クラリネットを担当しました。

 入部当初は思うように音が出せず、周りの友人が上達していく中で、自分だけが遅れているように感じ、悔しさを感じることがありました。

 その原因を考えたときに、自分はただ練習時間をこなしているだけで、どこを改善すべきかを意識できていなかったことに気づきました。

 そこで私は、基礎練習の中でも「息の使い方を安定させる」「タンギングを正確にする」といったように、毎回テーマを決めて取り組むようにしました。また、先輩に積極的にアドバイスを求め、自分の課題を客観的に把握することも意識しました。

 その結果、少しずつ音が安定し、表現の幅も広がっていきました。3年生の最後のコンクールではメンバーとして演奏することができ、自分なりに納得のいく演奏をすることができました。

 また、合奏では自分の音だけでなく、周りの音をよく聴きながら演奏することの大切さを学びました。クラリネットは主旋律を担当する場面も多く、周囲とのバランスを意識することで、全体としてより良い演奏になることを実感しました。

 この経験から、目標に向けて考えながら努力を積み重ねること、そして周囲と協力して一つのものを作り上げることの大切さを学びました。

 高校に入学してからも、この経験を活かし、部活動だけでなく学習や学校生活においても主体的に取り組んでいきたいと考えています。

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この記事を書いた人

百瀬 浩市のアバター 百瀬 浩市 個別進学塾TaNe 塾長

埼玉県立所沢高校を卒業。現役で東京農工大学工学部に入学。(その他、東京理科大学理学部、明治大学理工学部、芝浦工業大学工学部、東洋大学理工学部にも合格)。大学在学中に大手予備校にて指導経験を積む。
大学卒業後、地元の個別指導塾にて教室長を務めたのち、理系のための大学受験塾SoRaを立ち上げて現在に至る。

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