偏差値60の高校から国公立大学に合格する2パターンとは|所沢高校・川越南高校を例に解説

「高校受験の偏差値60くらいの高校に通っていれば、国公立大学には普通に行けるのでは?」

高校1・2年生やその保護者の方とお話をしていると、このように考えている方は少なくありません。

所沢周辺でいえば、所沢高校や川越南高校などがイメージしやすいと思います。

しかし、どちらの高校も実際の進学実績を見てみると、国公立大学に合格する生徒は決して多くありません。

所沢高校や川越南高校でも、国公立大学への合格者は毎年10〜20名程度です。

たとえば、川越南高校では、近年、国公立大学の現役合格者が20名→23名→16名と推移していますが、1学年350~360人ほどの高校と考えると、国公立大学に合格するのは学年全体の5%前後にすぎません。

では、偏差値60程度の高校から国公立大学に合格していくのは、どのような生徒なのでしょうか。

実際に生徒を見ていると、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。

① 高2の後半から一気に受験勉強を始める「追い上げ型」

② 高1から勉強を積み重ねていく「コツコツ努力型」

今回は、所沢高校や川越南高校の両校にいる、国公立大学に合格する生徒のパターンについて具体的にお話ししていきます。

目次

【前提】高校受験と大学受験の偏差値60は別物

本題に入る前に、少し前提のお話をします。

最初に知っておいてほしいのが、

高校受験の偏差値60と、大学受験の偏差値60はまったく別物

だということです。

高校受験では、その地域の中学生の多くが高校を受験します。

一方、大学受験では、全国の大学進学を目指す高校生や浪人生が主な母集団になります。

高校受験と大学受験では母集団が異なるため、同じ「偏差値60」でもその意味が大きく変わってくるのです。

高校受験の偏差値を大学受験の偏差値に無理やり換算するなら、

「高校の偏差値から10引いた数字が、大学受験での偏差値の感覚に近い」

と考えるとイメージしやすいでしょう。

つまり、偏差値60の高校に通っている子なら、偏差値50からのスタートになるわけです。

さらに国公立大学では、大学や入試方式にもよりますが、

  • 英語
  • 数学
  • 国語
  • 理科
  • 地歴公民
  • 情報

など、多くの科目を勉強しなければなりません。

私立大学であれば3科目程度に絞れる場合でも、国公立大学ではそうはいきません。

そのため、高校受験の感覚で受験勉強の準備を始めようとすると、受験勉強を始めたときにはすでに手遅れなんてことも珍しくありません。

こういった前提のもと、偏差値60の高校から実際に国公立大学へ合格していく生徒は、どのような生徒なのか。

これまでの指導経験から、次の2つのパターンに分かれると考えています。

① 高2の秋から動き出す「追い上げ型」

1つ目は、高校2年生の秋から冬にかけて受験を意識し始め、高3で一気に勉強量を増やしていくタイプです。

偏差値60の高校で、国公立大学に合格する生徒たちの8~9割方はこのタイプです。

追い上げ型の生徒は、高1から毎日何時間も受験勉強をしているわけではありません。

部活動にも一生懸命取り組んでおり、高2の11月〜高2の3月に、

「そろそろ大学受験の勉強を始めないとまずいかも」

と意識し始めます。

高2の11月〜3月というのは、所沢高校や川越南高校では受験勉強を本格的に始めている生徒はほとんどいません。

周囲の友達がまだ本格的に受験を意識していない中で、少し早めに動き始めるわけです。

ただし、ここで注意したいのは、難関大に合格している子たちのメイン層と比べると、受験勉強を始めるのは圧倒的に遅いです。

追い上げ型の生徒たちは、ギリギリ間に合うタイミングで受験勉強を始めたにすぎません。
そして高3の5~6月頃に部活動を引退すると、一気に勉強量を増やしていきます。

追い上げ型の生徒は、学校の授業にはついていけている

ここで非常に重要なポイントがあります。

それは、追い上げ型の生徒は、

受験勉強を始めるまでは、まったく勉強していなかったわけではない

ということです。

定期テストで毎回トップ10に入るほどではなくても、

学校の授業で先生が何を説明しているのかは理解できている

という状態を保っている生徒が多いです。

日常から勉強しているわけではなくても、定期テストの勉強はそこそこ頑張っていて、常に平均点以上は取っています。

この状態であれば、本格的な受験勉強を始めたときに、「ゼロから勉強し直す」のではなく、

「一度学校で習った内容を思い出して、入試で使えるところまで引き上げる」

という勉強ができます。

この差は非常に大きいです。

反対に、高2の終わりになって、

「数ⅠAの内容もかなり忘れている」
「英文法もよく分かっていない」
「物理や化学の授業もほとんど理解できていない」

という状態だと、そこから国公立大学を目指すのはかなり大変になります。

追い上げ型が成立するのは、

受験勉強を本格的に始めていなくても、学校の授業で最低限の土台を作れているから

です。

追い上げ型はどのくらい勉強するのか

もちろん個人差はありますが、国公立大学に合格していく追い上げ型の生徒を見ていると、高2後半からかなりの学習量を確保しています。

部活動がある時期でも、

  • 平日:3~4時間程度
  • 休日:5~6時間程度

は勉強します。

そして部活動を引退してからは、

  • 平日:6時間程度
  • 休日:10~12時間程度

は勉強しています。

彼ら彼女らは勉強すること自体にそこまで抵抗がありません。

結局、追い上げ型の生徒は、

高校2年生まで勉強量が少なかった分、高校3年生になってからはかなりのペースで追い上げる必要がある

と自覚して勉強しています。

追い上げ型の最大の問題は「高校数学の進度」

特に理系の国公立大学を目指す場合、注意しなければならないのが数学です。

所沢高校や川越南高校のような偏差値60に位置する高校では、学校の進度のまま進むと、数ⅢCの終了が高3の秋頃になります。年によっては11月や12月くらいまでかかることもあります。

しかし、大学受験では、

「数ⅢCを習い終わる=受験勉強が終わる」

ではありません。

むしろ、そこからが本番です。

数ⅢCを一通り習ったあとに、

  • 入試問題演習
  • 共通テスト対策
  • 志望大学の過去問演習
  • 苦手単元の復習

を行う必要があります。

仮に11月まで新しい内容を習っていたら、1~2月の入試までほとんど時間がありません。

そのため理系で国公立大学を目指すのであれば、

学校の授業についていくだけではなく、
「いつ全範囲が終わるのか」を考えておく必要があります。

そうした状況のなかで、追い上げ型の生徒たちは、

❶ 学校より先に数ⅢCを終わらせる
❷ 学校と同じ進度でも習った範囲は入試レベルまで仕上げる

のどちらかのパターンで対応しています。

❶の「学校より先に数ⅢCを終わらせる」生徒たちは、塾や参考書などを使い、学校よりも早いペースで進めます。

実際には、高1・高2で学んだ数ⅠA・ⅡBの復習をしながら、数ⅢCを進めていかねばならないので、高3の夏休みに一気に数ⅢCまでをやってしまうケースが多いです。

❷の「学校と同じ進度でも習った範囲は入試レベルまで仕上げる」生徒たちは、塾に通わずに学校の授業だけで合格を目指していることが多いです。

進むペースはギリギリとなってしまいますが、学校ですべての範囲を習い終えたあと、すぐに過去問演習へ移れる状態になっています。

学校でやったことを入試レベルまで昇華していく力がある生徒は、学校のペースに合わせても十分やっていけてしまうのです。

② 高1から積み重ねる「コツコツ努力型」

次に、偏差値60の高校から国公立大学に合格するパターンの2つ目を紹介します。

それは、

高校1年生から学校の勉強と受験勉強をコツコツ続けているタイプ

です。

学校の成績も模試の成績も上位を維持していて、一般選抜だけでなく学校推薦型選抜や総合型選抜なども視野に入れられる生徒です。

体感としては、国公立大学に合格していく生徒の多くは「追い上げ型」で、「コツコツ努力型」は国公立合格者の中でも10~20%ほどしかいません。

しかし、毎年一定数はいます。

特徴としては、

  • 学校の定期テストで常に上位
  • 学年順位でも上位10番前後を維持
  • 模試でも校内上位
  • 学校の授業だけでなく、自分の勉強も進めている

といった状態です。

学校の課題をきちんとこなすのはもちろん、それとは別に受験を意識して勉強もしています。

塾に通って学校の先取りを進めている生徒もいれば、自分で参考書を使って勉強している生徒もいます。

いずれにしても、学校の授業のペースだけに任せず、自分で勉強を進める習慣ができています。

コツコツ型は高1・高2で「貯金」を作っている

コツコツ努力型の大きな強みは、高校3年生になる前にかなりの学習量を積み上げていることです。

たとえば、

  • 平日:3時間程度
  • 休日:5~6時間程度

を高校1・2年生から継続しています。

もちろん部活動や学校行事もあるため、毎日必ず同じ時間勉強できるわけではありません。

重要なのは、

「受験生になってから勉強する」のではなく、高1から少しずつ大学受験の準備をしていること

です。

この積み重ねが、高3になったときに大きな差になります。

早い生徒では、高3の夏休みから過去問を中心とした演習に入ることができます。

コツコツ型は推薦入試も選択肢になる

さらに、高1から学校の成績を維持している生徒にはもう1つメリットがあります。

それが、推薦入試です。

学校の成績をしっかり取っていれば、

  • 学校推薦型選抜
  • 総合型選抜

なども選択肢に入ってきます。

学校推薦型選抜や総合型選抜を実施している国公立大学は近年増えています。

高3になってから、「推薦も受けたい」と思っても、高1・高2の評定を後から変えることはできません。

その意味でも、高1から学校の勉強をコツコツ続けておくことには大きな意味があります。

「追い上げ型だから高2までは勉強しなくていい」は間違い

ここまで読んで、

「自分は追い上げ型だから、高2の11月までは勉強しなくてもいい」

と思っている高校生の子たちがいるかもしれません。

しかし、追い上げ型で国公立大学に合格する生徒は、いわゆる、地頭が良い生徒たちです。

  • もともと学校の授業にはしっかりついていけている
  • 基礎学力がある
  • 高2後半から一気に勉強量を増やせる
  • 高3で1日10時間以上勉強する生活にも耐えられる

といった条件がそろったうえで、かなりギリギリのスケジュールを、学力と勉強量で乗り越えられるだけの能力を持っていなければ成立しないのです。

できるなら「コツコツ努力型」を目指した方がいい

そのためTaNeでは、

大学受験を頑張りたいと考えているなら、「コツコツ努力型」を目指してほしい

と考えています。

理由は単純で、高1・高2で少しずつ貯金を作っておけば、高3になったときの選択肢が大きく広がるからです。

たとえば、

「国公立大学を目指していたけれど、やっぱり私立大学に絞りたい」

となった場合でも対応できます。

逆に、

「最初は私立大学だけを考えていたけれど、高2になって国公立大学を目指したくなった」

という場合でも、基礎ができていれば対応しやすくなります。

大学受験は、中学受験や高校受験と違って、科目数が多く範囲も広いため、才能以上に、どれだけ早くから継続して努力できるかが重要になる受験です。

だからこそ、高1・高2のうちから少しずつ準備をしておくことが大切です。

偏差値60の高校では「周りと同じ」が一番危ない

逆に、大学受験を頑張りたいと思っているなら、高校の友達を基準にしてはいけません。

どうしても周りの友達が基準になってしまいがちなので、周りがまだ受験勉強をしていなければ、「自分もまだ大丈夫だろう」と思ってしまいます。

しかし、大学受験で競う相手は同じ高校の生徒だけではありません。

全国には、

  • 中高一貫校ですでに高校数学を終えている生徒
  • 高1から大学受験の勉強をしている生徒
  • 難関大学を目指して早い段階から塾に通っている生徒
  • 浪人して1年間受験勉強をしている受験生

もいます。

結局、偏差値60の高校から国公立大学を目指している子の9割ほどは国公立大学に行けないのです。

「学校の中で普通だから大丈夫」

ではなく、

「思い立ったときから受験勉強を始める」

と考えることが大切です。

まとめ|偏差値60の高校から国公立大学を目指すなら、高2の秋までには動き出そう

偏差値60程度の高校から国公立大学に合格していく生徒には、大きく2つのタイプがあります。

1つは、高2後半から受験勉強を始め、高3で一気に追い上げるタイプ。

もう1つは、高1から学校の勉強と受験勉強をコツコツ積み重ねるタイプです。

追い上げ型でも国公立大学への合格は十分可能です。

ただし、そのためには、

  • 学校の授業にはしっかりついていく
  • 高2後半には受験勉強を始める
  • 高3ではかなりの学習時間を確保する
  • 理系なら数ⅢCや理科を受験に間に合うペースで進める

ことが必要になります。

一方、高1・高2のうちから少しずつ勉強を積み重ねておけば、高3になったときにかなり余裕が生まれます。

国公立大学を狙っているのであれば、今から受験勉強をスタートしていきましょう!

個別進学塾TaNeでは、所沢高校・所沢北高校など所沢周辺の高校生を中心に、一人ひとりの学校進度や志望校から逆算して学習計画を作っています。

「国公立大学に行きたいけれど、今のペースで間に合うのか分からない」

「学校の勉強と受験勉強をどう両立すればよいか分からない」

「数ⅢCや理科をいつまでに終わらせればよいか分からない」

という方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

百瀬 浩市のアバター 百瀬 浩市 個別進学塾TaNe 塾長

埼玉県立所沢高校を卒業。現役で東京農工大学工学部に入学。(その他、東京理科大学理学部、明治大学理工学部、芝浦工業大学工学部、東洋大学理工学部にも合格)。大学在学中に大手予備校にて指導経験を積む。
大学卒業後、地元の個別指導塾にて教室長を務めたのち、理系のための大学受験塾SoRaを立ち上げて現在に至る。

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